新潟は14日、元日本代表MF梶山陽平の今季限りでの現役引退を発表した。
梶山はFC東京から今年7月に新潟へ期限付き移籍で加入し、J2リーグ戦3試合に出場。第29節・大宮戦では、FW渡邉新太の得点をアシストした。
しかし、第31節・愛媛戦で相手と接触した際に右膝の古傷が悪化し、別メニュー調整が続いていた。発表があったこの日、報道陣の囲み取材に対応し、「体も気持ちも元気だけれど、膝が痛いことが一番」と引退の理由を明かした。
片渕浩一郎監督は「(新潟に)きてくれたことに感謝しているし、もっと活躍してほしかったが、彼はJリーグの功労者。日本サッカーの発展に寄与してきたことに敬意を表したいし、いい形で送り出したい。『トップコンディションでなければ出るべきではない』というプロ意識もあると思うが、最後は少しでもピッチでプレーしてほしい。『辞めるなら残り1週間、やってみようよ』と無理やり引っ張り出した」と、今週の練習に梶山を合流させた。梶山も「試合前の練習に入れてもらったので、しっかりやること、楽しくやることができれば」と受け入れ、チームメートと練習に取り組んでいる。
新潟の若手選手たちにもいい影響を与える存在だった。第28節・栃木戦で、梶山とボランチを務めたMF原輝綺は「一緒にやったのは3回目くらいだったけど、とてもやりやすく、自分もいいパフォーマンスが出せた。カジさん(梶山)に『よかった』と言ってもらえたし、『もっとこうしたほうがいい』とアドバイスももらえた。味方を助けるポジショニングや、味方をコントロールしながらプレーすることなど、自分にプラスしていくべきことを学べた」と刺激を受けた。梶山と同時期に新潟へ途中加入したMF渡邊凌磨は「よくご飯に連れていってもらった。J1の最前線で活躍してきた選手の近くで、ピッチの外でもプロサッカー選手として生きていく上で大事なことを教えてもらった」と感謝した。
「ケガ以外、挫折はなかった。順調に過ごせて楽しかった」と16年にわたるプロサッカー人生を振り返った。17日のJ2最終節・山口戦に向け「出られるかは分からないけれど、練習できる場をもらえたので準備はしている」と梶山。新潟で、最後までプロサッカー選手としての矜持を見せる。
写真:野本桂子
(BLOGOLA編集部)
2018/11/14 18:35