三度、大ケガを乗り越えた高卒ルーキーが練習のピッチに戻ってきた。
2月に左膝前十字靭帯を損傷し、長期離脱していた千葉の本田功輝。「焦らずにリハビリをやってきて、いい状態で復帰できました。次の目標はデビューして活躍すること。来年こそは勝負できるように、コンディションを上げていきます」と10月から全体練習に合流し、精力的に汗を流している。
本田の大ケガは2月が初めてではない。2年前の高校2年次に右脛を骨折、昨年は今回と同じケガを負い、その度に挫折を味わい、それを乗り越えていまに至る。この約2年半の間、多くの時間をリハビリに費やしてきた心労は想像を絶するが、「もちろんリハビリ期間はつらかったですし、キツかったです。でも、自分がフクアリに立つことを想像して毎日やってきました。早くイメージしてきた自分を実現したいですね」とあくまで前向きだ。
発奮材料もある。母校・四国学院大香川西高が今週末、4年ぶりの本大会出場をかけて高校選手権香川県予選決勝に臨む。「自分は1年のときに予選にちょっと出ただけ。2、3年はケガで一切出ていません。高校サッカーをやっている以上、選手権は憧れの舞台。決勝の雰囲気にのまれず、うまく普通にやれば勝てると思うし、全国に出てくれたら、応援に行きます」とエールを送る。
ただ、本音もちらり。「後輩が全国にいけば少し羨ましいとは思います(笑)。そのぶん自分はJで活躍できるように頑張ろうって、刺激になりますよね」
そして、若くして多大な苦労を味わってきたからこそ、辿り着いた上辺ではない心境を明かしてくれた。
「僕には一度、二度、そして三度のケガがあっても、それでも手を伸ばしてくれる人がいます。そういう人たちを大切にして感謝を忘れず、それ相応の結果を手に入れにいきます」
そのために目線を向けるのはつらい過去ではなく、希望の未来。高い代償はもう十分払った。あとはリターンを回収するだけである。
(千葉担当 大林洋平)
2018/11/08 23:08