リーグ最多の71得点を誇る大分の中で、現在12ゴールを挙げてチーム得点王のFW藤本憲明。出場時間は今季ここまでの累計で1201分だが、第32節・熊本戦以降は261分で7得点と、約37分に1度の割合でネットを揺らしている計算になる。特筆すべきは、第32節・熊本戦は80分に出場した直後に1得点、第34節・山口戦では64分に出場して72分と75分に2得点、第35節・水戸戦では69分から出場して80分に1得点という、試合終盤でのひと仕事だ。
これは試合の流れを読みながらここぞというタイミングで藤本を投入する片野坂知宏監督の手腕によるところも大きく、また、GKを起点とするビルドアップで組織的に相手を攻略していくスタイルの中で、フィニッシュに至るまでに優位な状況を作り出せていることもあるのだが、それでもその決定機を落ち着いて仕留めるのは決して易しい仕事ではない。
本人曰く「AB型ならではの感覚派」。JFL・佐川印刷で社会人デビューしJ3の鹿児島、J2の大分と“個人昇格”を続けてきた中でも「努力は全然したことがない」ときっぱり言い切りつつ、唯一、努力した点といえば「天才とアホは紙一重って言うじゃないですか。だから天才に寄せていく努力はしましたけどね」と笑う。
そうは言っても周囲との呼吸が合うまでは我慢を重ねた時期もある。今季は“個人”ではなくチームとしての昇格をつかみ取りたいところだ。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2018/10/27 10:44