広島の森﨑和幸が現役引退を決意した。26日の練習後にチームメートへ挨拶を行い、その後に取材に応じた森﨑は「スッキリしましたね」と朗らかな笑顔を浮かべた。
今週に足立修強化部長と話し合いの場を持ち、両者の間で今季限りでユニフォームを脱ぐことを確認し合った。足立強化部長によると「お互いに次にいこうと。だから引退という言葉は使っていない」という。森﨑は今年のプレシーズンに体調不良によってチームを離脱し、「今年に入ってすぐに休んでしまって、それからは辞めることしか考えていなかった」と言うが、10月にはチームの全体練習に合流するまでに回復した。「周りに助けてくれる人が本当にたくさんいたので復帰できたし、復帰してからはもう一度サッカーが好きだなと思った。それでもう一回プレーしたい思いは強くなったけど、いろいろなことを考えると決断しないといけないかなと思いました。今まで人生の中で自分が本当の意味で決断したことがなかったので、ここで決断することで次の人生に進んだときに成長していけるかなという思いはありました」と、引退の決断に至った胸中を語った。
広島で生まれ、広島のアカデミーで育ち、広島初の“高校生Jリーガー”として99年にJリーグデビューを飾った森﨑は、J1・J2通算501試合に出場して三度のリーグ制覇に貢献。そして、広島一筋(今季でプロ19年目)のままキャリアに幕を閉じる。「ここで終えることが自分の中の一つのこだわりでもあった。それが実現できて幸せだなと思います」と話す表情には安堵が浮かんでいた。
(広島担当 寺田弘幸)
2018/10/27 06:00