前節・大宮との上位対決を制した福岡。大事な一戦の勝因ともなったのが結束力。それを生み出したのが、第22節代替試合の京都戦での敗戦を受けて実施した選手ミーティングだったという話は本紙の大宮戦マッチコラムで記した通りだが、そのミーティングを提案した鈴木惇からさらに詳しい話が聞けたので紹介しておきたいと思う。
来季トップチーム昇格が内定している桑原海人と北島祐二を含む全選手が自らの思いを口にしたミーティングを開いてよかったと鈴木は言ったが、その理由を次のように語った。「全員が前向きな言葉を口にしたことでした。始まる前は、もしかしたら多少の不満は出るかもしれないと覚悟していたのですが、それが一切なかった。あれでみんながまとまったと思うし、気合も入った」
選手一人ひとりの魂が込められた言葉を鮮明に覚えていると言う鈴木に、その中でも特に印象に残った言葉を聞いたところ、平尾壮のものを挙げた。
「ソウも嫌かもしれないので、詳しく言うのは避けますが、要は、残り試合では勝利へのこだわりがものすごく大事で、それをゲームで表すには日ごろの練習から表現するしかない。ちょっとした1対1の場面でも絶対に勝つんだという勝負へのこだわりをもってプレーしよう、という内容の言葉でした。いつもムードメーカーとして盛り上げてくれているソウから、そういう厳しい言葉が出てきたことが僕には意外でしたし、だからこそ印象に残りました」
出場停止やケガ人も出てくるだろうリーグ終盤戦は、井原正巳監督がよく言う『総力戦』になる。平尾をはじめこれまで出場機会に恵まれていない選手の働きも必要になることも当然あるわけで、そうなったとき、みんなの前で口にした言葉がそれぞれの責任感となり、好パフォーマンスとして表れるはずだ。
(福岡担当 島田徹)
2018/10/04 18:07