29日の今節・愛媛戦で初の古巣戦を迎えることが濃厚な千葉のMF小島秀仁。「愛媛は(西日本)豪雨災害もあった。成長した姿を見せて少しでも元気を与えられたらうれしいですね」。リーグ前半戦のホーム戦はベンチ外だっただけに、「育ててもらった地」での“凱旋試合”に向け、モチベーションは高い。
小島は4試合連続フル出場中。終盤にきてコンディションを上がり、ダブルボランチの一角として存在感が増している。ただ、本人はまったく納得していない。「出られていることはポジティブに捉えられますが、自分の理想としているパフォーマンスには程遠い。(今節は)もっとゴールを意識したいですね」。今季はまだ1ゴールにとどまっているだけに、愛媛で才能を開花させた得点力を慣れ親しんだニンスタで発揮するつもりだ。
その愛媛のホームタウンは7月の西日本豪雨災害で甚大な被害に見舞われ、心を痛めた。「シーズン中で愛媛にはいけなかったので、なんらかの形でと思い、連絡したスタッフに協力してもらった」と古巣を通じて被災地のサッカー少年に10万円ぶんのボールを送った。ただ、いまも復興中であると認識しており、「自分がよく遊びにいっていた場所も川が氾濫して、跡形もなくなっているのを写真で見たりもしましたし、苦しんでいる人もいると思います。まだまだやれることはあるし、継続的に支援できれば」と神妙に語る。
ただ、試合となれば話は別だ。「千葉の状況を考えれば勝つしかないので、愛媛のことを考えるよりも自分たちのことを考えてやるしかない。楽しみな部分はありますが、勝って終わりたいです」と言い切る。
ただ、こうも付け加える。「河くん(河原和寿)とはずっと一緒にいたので、ピッチで会えるのが楽しみ。ポジション的にもマッチアップすることにもなります。去年、一緒に戦ったメンバーも多いのですし、そういう意味でも楽しみですね」。昨季までの“戦友”との再会を心待ちにしているのも素直な感情である。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
(千葉担当 大林洋平)
2018/09/27 17:40