6日未明、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震が発生。札幌がホームタウンである札幌市でも震度6以上が計測されたエリアもあり、それに伴って大規模な停電が発生。1日に神戸戦を終え、翌2日から5日まで計4日間のオフをとり、この6日から札幌は練習を再開する予定だったが、震災を受けて選手、スタッフらは自宅待機を余儀なくされた。
6日の札幌市内は、停電により信号機が作動しない道路が多く、ただし同時に公共交通機関がほぼすべて運休していたこともあり、交通量は通常時よりも多かった様子。交差点では警察官が路上に立ち、手信号と笛による誘導で信号機の代役を担っていた。暗い時間帯になっても笛の音は鳴りやまず、懸命な作業ぶりには頭が下がる思いだった。普段はネオンで明るく照らされた道路が真っ暗なまま時が過ぎ、そこに笛の音が響く光景は、やはり心を不安にさせるものがあった。そして余震も時折。昼間に耳にしたゴミ収集車の何気ない作業音に何となくホッとさせられたことを思い出し、あらためて“非日常”の時間が流れていることを痛感したりもした。
6日の夕方ころから徐々に通電する地域があったものの、他方で7日を迎えても停電が続く地域は数多くあり、札幌はこの日もチームとしての活動をせず。札幌市西区にあるクラブハウスは同日の夜まで停電が続いたとのこと。そしてこの日はペトロヴィッチ監督がそのクラブハウスを訪れ、クラブスタッフと今後のスケジュールを話し合い、8日からの練習再開が決定。札幌がホームタウンで7日ぶりに練習を再開した。
14日にはアウェイでの川崎F戦が控えている。現在、チームは4位につけており、選手たちは口々に「ACL出場権をとりたい」と発している。それが達成されれば、もちろんクラブ史上初の快挙である。これから挑むシーズン終盤戦。『北海道とともに、世界へ』をクラブスローガンとする札幌はきっと力強く試合を重ね、北の大地にポジティブな意味での“非日常”をもたらしてくれるはずと期待している。勝負の世界であるゆえ、どんな結果が待っているかは誰にも分からない。しかしながら、今季すでに見せてくれているその奮闘ぶりは、必ずや北海道内に光をもたらすものとして結実するはずだ。
(札幌担当 斉藤宏則)
2018/09/09 07:05