前節、柏戦では5失点の大敗を喫した長崎だが試合後、チームにはあるアクションが起きていた。それはベテランの選手たちが中心となっての選手ミーティングの提案だった。
「それぞれ言いたいことはあると思うので、そこで言ってもらおうということで、ベテランの選手たちで話し合って、選手たちだけのミーティングをやろうということになりました」
発起人の一人である前田悠佑が明かしたように早速、オフ明け最初の練習となった28日の練習後、クラブハウス内で約30分の選手だけによるミーティングが行われた。
「一人ひとりが思っていることを言ってもらいました。みんなに言えるのがこの現状を受け止めながらやっているということ。その中でも自分が、自分が、ではなくてチームのために、チームメートのために自分がしっかりプレーするんだよということをもう一度、確認しました。現状を考えて暗くなるんじゃなくて、みんなでムードを作りながらやっていこう。プレーするのは選手たちなので自分たちがしっかりピッチで表現していこうという話でした」(前田)。
現状を何とかしたいという思いは個々がもっているが、それが個人のベクトルになり過ぎていた。それぞれが思うことを言い合うことでそのベクトルをチームに向け、まとまっていく。フォア・ザ・チームの精神の再確認、ミーティングの意味はそこにあった。
「結果が出ていないぶん、自信を失うというのは当然、あることだと思います。誰がミスしたとかじゃなくてみんなでカバーし合いながらやっていくことで絶対に結果につながるという話し合い。そういう雰囲気でみんなが言ってくれました。思っていることはみんな、同じなので確認できたという面ではよかった」(前田)。
苦しい状況の中であらためて、チームとして結束する。今週の練習では対人練習が多く、球際や1対1の意識を選手たちは強く意識して取り組んだ。結果は相手があることなのでどうなるかは分からない。それでも、やるべきことをやらないと結果はついてこない。選手だけのミーティングで原点回帰を意識した長崎の選手たち。あとはその意味を湘南戦でプレーに込めるだけだ。
(長崎担当 杉山文宣)
2018/08/29 18:06