26日、山形・瀬沼優司が横浜FCヘ完全移籍することが発表された。今月29日まで山形の一員として活動する瀬沼が27日の練習後、現在の複雑な心境を明かした。
瀬沼は昨季、愛媛から移籍。当時は清水からの期限付き移籍だったが、38試合に出場し、9得点と主力として活躍。しかし、完全移籍となり背番号も『10』を背負うことになった2年目の今季は、ここまでリーグ戦の出場が16試合にとどまり、直近の7試合はベンチ外が続いていた。
「本当にこの地が好きになりましたし、ここにずっといてもいいぐらいの気持ちで完全移籍しました」という瀬沼。それだけに、試合から遠ざかっていた今季は苦しい時期だった。
「試合に絡めなくて、クラブハウスから自分の家に向かう途中で、僕の10番のユニフォームを着てトボトボ歩いてるおじさんの後ろ姿が見えて、本当に申し訳ないなあというか、早くこの人をよろこばせることをピッチで示したいなあと思いながらずっとやってた」
それだけに、シーズン途中の今回の移籍の話は簡単に結論を出せるものではなかった。
「残って頑張りたいという気持ちと、心機一転、環境を変えてもう一度スタートしたいという気持ちの間ですごく揺れたところはある」
葛藤の中で出した、今回の答えだった。
27日、今回の移籍の話を聞いて練習場に駆けつけたサポーターとも面と向かい、言葉を交わした。
「山形の方はあたたかいからネガティブな言葉をかけてくる人は少ないですけど、そう思われても仕方ない。全然そこはこういう世界。ブーイングでも、悪く思われてもいいという気持ちを全部背負って出ていくので、向こうで、環境を変えて、一から出直しですね、もう1回」
覚悟を決めて、10番がチームを去る。
写真:佐藤円
(山形担当 佐藤円)
2018/07/27 21:30