Jリーグに新たなツインズが誕生する。7月3日、栃木SCに西谷優希が加入したことで、今後、西谷和希との双子の競演が実現する。
写真向かって左が兄・優希、右が弟・和希だ。二人は一卵性双生児で「生まれたときからスタートラインは一緒。負けると悔しいし、言い訳ができない」(兄・優希)という永遠のライバルだ。
弟・和希は栃木SCに所属して3年目、今季のJ2ではチームトップの5ゴールを奪うエースとして活躍中。
一方の兄・優希は昨季までドイツ4部リーグのTuS エルンテブリュックでプレー。ドイツには仙台大学2年のときに中退してチャレンジし、最初はアマチュア契約だったが最後の2年間はプロとして活躍した。合計4年間ドイツでプレーした。
ドイツでは日本代表の香川真司のように[4-2-3-1]のトップ下を任されていた。栃木SCに入ると周囲からは「ファーストタッチがうまい!」と評判の技術の持ち主。
兄・優希は香川タイプ、弟・和希はドリブラータイプとスタイルは異なるが、現在の栃木SCでは[3-4-2-1]のシステムで戦うこともあるので、二人がシャドーとして横並びでプレーする可能性はある。背番号は弟・和希が14、兄・優希も14を好んだが断念して41をチョイス。背丈は一緒なので後ろから背番号だけで判断しようとするとまるで合わせ鏡のようで、対戦する相手も背中越しではマークを間違えてしまう可能性も十分にある、実に厄介なツインズなのだ。
ちなみに記者は先日対談の収録に臨んだが、あとで取材のテープデータを聞きなおしたとき、二人の声がほぼ一緒だったので判別に相当な時間がかかってしまったことを告白しておこう。
二人が並んでくれれば、筋肉質の弟・和希のほうが若干首が太いので何とか判別ができる。練習の様子を覗くときに目安にしたいのは、流通経済大学で夏場でも長袖で勝ち続けたことを理由に今なお長袖でプレーしているのが弟・和希と判断すればいい。
二人は幼少期から鹿島学園までともにプレー。高校時代は西谷ツインズとして有名だった。昔から同じチームのメンバーに「和希」なのにあえて「優希」と間違えてみたりする絡みは西谷ツインズいじりの王道で、栃木SCに加入した初日にもペチュニクがほぼ同じ顔をしているはずの二人を見比べて「兄ちゃんのほうがイケメンだな」などとからかって場を盛り上げる一幕もあった。おかけで当時連敗中のチームの雰囲気が明るくなった。
「まあ、2週間もすれば慣れますよ」と二人はこの手のいじりには慣れたもの。兄・優希が加入してから2週間が経つが、その間チームは2連勝とチームは明るい話題とともに調子を上げてきた。兄・優希は20日に選手登録予定で、今節の大分戦から出場が可能となる予定。「準備はできている。とにかく結果を出したい」とすでに臨戦態勢だ。
写真:鈴木康浩
(栃木担当 鈴木康浩)
2018/07/19 18:51