チームでもっとも危険な縦パスを出せる選手でありながら、現在は試合出場から遠ざかっている山形の安西海斗。しかしその期間にも、試合出場に向けた自身のレベルアップを着々と進めている。
安西が出場した直近の公式戦は、延長含め120分間プレーした6月6日の天皇杯2回戦・岐阜戦。リーグ戦では5月20日の明治安田J2第15節・新潟戦を最後に出場がない。開幕から2試合に先発したが、複数失点が続く状況に、チームは失点しない戦い方へと大きく舵を切り、それとともに試合出場も減少していった。
メンバーから外れることが多い時期、試合に出場するために必要なことを、安西自身がよく理解していた。5月中旬には、こうコメントしている。
「いま置かれている状況をちゃんと理解してやっていきたいと思います。課題は守備の球際とか、やりきるスピー ドとか力だと自分は思っています」
今月8日にはいわきFCとの練習試合が行われ、安西は90分フルタイムで出場。持ち味にしてきた縦パスやサイドへの展開で求心力を見せたが、それ以上に目立ったのが守備での献身性だった。
「前までは守備のところを意識し過ぎて攻撃のところが物足りなくなってたんですけど、最近は練習試合でも守備をしながらラストパスを出したり、展開したり、相手を外したりできています」
山形は週中の11日、天皇杯3回戦で柏と対戦する。柏からの育成型期限付き移籍中の安西はこの試合に出場することができないため、取り組んできた成果を発揮するのはまずはリーグ戦ということになる。
「今は体の状態もいい。チャンスが来たら結果残せるように頑張りたい」
ピッチに登場すれば、たくましさを増したプレーが見られることになる。
(山形担当 佐藤円)
2018/07/06 19:29