現在4連敗と苦しむ栃木だが、その中でギラギラと燃えたぎっている若手がいる。MF浜下瑛だ。
前節は金沢に2点ビハインドの89分に途中交代で入ったが、出場時間も短く見せ場を作れなかった。試合直後、浜下が目尻に涙を浮かべるように悔しがっている姿が目撃されている。
「泣いてないですよ。本当に泣いてないですからね(笑)」
心の底から悔しかったという。
「短い時間でも自分を出せるようにならないとダメなんです。その悔しさです」
浜下は今季栃木に加入した大卒ルーキーだが、ここまで途中出場を中心に8試合に出場。いずれもゴリゴリと相手を揺さぶるドリブルを仕掛けてチームのアクセントになってきた。6日の天皇杯2回戦・徳島戦では左サイドを再三突破して見せ場を何度も作った。リーグ戦の先発獲りに最大限のアピールに成功した。
いま、W杯で注目するのはブラジルのMFコウチーニョだという。
「(W杯グループステージ第1節・スイス戦で)ドリブルからカットインして決めたシュートはものすごかった。プレースタイル的に同じだと思うので最近はコウチーニョの動画をよく見ているんです。試合会場に向かうバスの中でコウチーニョの動画を見て気持ちを高めるのが最近のルーティンになっています」
4連敗と苦しむチームの中で、いつどの試合でもキレのあるドリブルを見せる浜下の存在は希望の光だ。
「栃木は連敗しているいまもチームとして戦えていると思うし、チーム力はあると思います。でも、その土台の上で若い力が爆発する力を見せないといまの流れは打破できない。誰かが変えないといけないと若手はみんな思っていると思うけど、それは自分だという気持ちは常にあります。とにかく結果を出したい」
ぜひともコウチーニョが決めたような、深夜でも目が覚める豪快な一発を、浜下に期待したい。
写真:鈴木康浩
(栃木担当 鈴木康浩)
2018/06/21 20:15