過去に例のないPK戦のやり直しとなった天皇杯2回戦。現時点では日時などが未定となっているが、選手たちは戸惑いながらも、落ち着いて練習に取り組んでいる。
ゴールマウスを守っていたGKランゲラックは「PK戦のやり直しはもちろん初めて。どうやってメンタルを作ればいいか分からないけど、チャンスは生かしたい」と語る。そもそもPK戦には自信をもっているそうだが、奈良C戦はデータがなく難しかったと言う。ABBA方式についても「混乱はするけど、やるしかないよね」と、自然体で受け入れる。
5人目のキッカーを努めたFW佐藤寿人は、「PK戦だけというのは変な感じ」と当惑しつつも、「僕らは決められる中でやるだけ」と特段に意識はしていない。それよりも「こうした違反があれば、今後は蹴り直しができないことが分かった」と前向きに捉え、この騒動からも学ぶべきことがあったと言う。
キックフェイントがPK失敗となるルールは昨年導入されたもの。名古屋では十分に周知されていなかったのは事実というほかないが、選手たちは90分間で勝てなかったことのほうを問題視しつつ、練習では後半戦の巻き返しに向けてチーム力を高めることを優先している。
もしPK戦で勝利し、3回戦に進むことができれば、リーグ戦(7月22日に行われるJ1第17節・広島戦)の前哨戦として広島と戦えることになる。奈良Cには申し訳ないが、降ってわいた“セカンドチャンス”を生かしたいという気持ちはもちろん強い。
文・斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/06/14 19:41