鳥栖がクラブ初のイタリアキャンプを実施する。
中断期間前のリーグ戦を3戦負けなしで終えた鳥栖だが、順位はJ2自動降格圏の17位。巻き返しを図るために約2カ月間のリーグ戦の中断期間は重要なものになる。そこで鳥栖は12日から23日まで12日間、イタリアでのキャンプを実施することになった。
梅雨の時期に入り、特に独特の湿気が伴う九州での練習は難しさが伴う。当初は北海道も候補地に挙がっていた。数年前の韓国におけるトレーニングキャンプでは雨が降り続くなど、ここまでの経験から梅雨時期のキャンプ地に難しさを感じていた。
そこで浮上したのがイタリアだ。イタリア人指揮官であるマッシモ・フィッカデンティ監督の存在、キャンプや大会参加のために毎年アカデミー世代がイタリアへ渡るなどクラブのつながりもあって、イタリア国内で数多くのサポートを受けることになり、コスト面という課題もクリアしている。同キャンプ期間には鳥栖を受け入れるキャンプ地の市長との夕食会なども開催、ピッチ外でも交流行事が行われる予定となっている。
フィッカデンティ監督も「ゲームがない時期にただ集まってここで練習をやっているとなかなか刺激が足りない。環境的な変化を与えて選手たちがもう一つ、モチベーションを上げた状態で練習に取り組める」とイタリアでのキャンプのメリットについて語る。指揮官によれば、「気温は鳥栖よりも少し低いくらいだが湿気がないので過ごしやすい」という環境はより集中した状態で練習に取り組むことを可能にしてくれるはずだ。また、イタリアと言えば、カルチョの国。ピッチ外でもサッカー文化の奥深さに触れる機会は多いだけに選手たちにさまざまな刺激が生まれることは間違いないだろう。
「イタリアでのキャンプを良いものにしたい」とフィッカデンティ監督もこのキャンプを重要視する。中断期間明けの巻き返しのために指揮官の母国で鳥栖はさらなるパワーアップを図る。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2018/06/07 18:29