Jリーグで2部練習というと、午前中にフィジカル系を意識したメニューを消化したあと、午後は軽めに戦術練習を行うことが一般的のように思う。ただ、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督のメニューは違う。いまがリーグ戦中断期間であること、次の公式戦まで少し間が空くことも相まって、午前も午後も、2時間近く強度の高いトレーニングが続けられている。
25日の午後練習が終わったのは17時半ごろ。”オールアウト”の様相で興梠慎三がクラブハウスに上がってくる。フーっと一息ついてから、したたる汗を払い落として「楽しいっ!」と一言。その後方では、腰を下ろして長いストレッチをする選手たちの姿がある。「チームとしてプレーできる状況を作ることにフォーカスする」(オリヴェイラ監督)。フィジカル面、そして戦術面、連係面、心理面。あらゆるベースを上げる密度の濃い練習が課されている。
「いろいろキツいトレーニングはあったけど…とりあえずいまが一番キツいかな」。青木拓矢は、“現状の疲れ>過去の練習を思い出すこと”といった意味を内包させた言葉を絞り出した。指揮官は緩みが出ないように厳しい声でハッパを掛け、激しく、そしてゴールへ。そしてどんなメニューでも勝利を追求する姿勢を求める。時に、ジョークも織り交ぜながら。4バックの形での練習も取り入れており、6月2日のルヴァンカッププレーオフステージ第1戦・甲府戦に一つの形を作り出したい意図が垣間見える。
(浦和担当 田中直希)
2018/05/26 14:22