柏は24日、5月22日に松本拓也GKコーチから井上敬太GKコーチに交代が発表されて以降、初めての練習を行った。
その初練習で特に目を引いたのが井上GKコーチの熱量だった。正GKである中村航輔がこの日から日本代表合宿に参加しているため不在だったが、ほかの3選手はゲーム形式の練習を含め、1時間強みっちりとトレーニング。柏U-18時代に3年間指導を受けたGK猿田遥己が「(井上GKコーチは)気合いや元気があるので、モチベーションは上がりますね」と言えば、「敬太さんは九州男児ぽく熱いですね」とGK桐畑和繁が続けるように、利き足ではない左足で強烈なシュートをバンバン放ち、一つひとつのセービングに対しても一人ひとりに大きな声をかけて練習を盛り上げていた。
プロ経験がないからこそ伝えられること、学生時代から指導者を目指していた上で鍛えてきた思考力や両足の正確無比なキックを生かしていきたいという井上GKコーチ。初練習を終えると、「拓也さん(松本拓也前GKコーチ)も『自分で大丈夫』と思ってくれたから任せてくれたと思う。もちろんピッチも違うし、ボールも違うし、扱っている選手も違うので、すべて変わってくると思う。でも、一つひとつの練習に、1回1回の練習に僕のもっているものを全部出すことは、アカデミーでもトップでも何も変わらない。『トップにきたから頑張ります』とか、『身が引き締まる思い』とかは違うと思うし、向こうは向こうでしっかり気持ちを込めてやっていた。こっちはこっちで目指す部分は変わってくると思うけど、それに対して、僕自身の気持ちをしっかり込めて、試合に向けてトレーニングしていきたいですね」と話した。
急なコーチ変更にもGK陣に動揺はなく、選手たちも意欲的。例えばGK滝本晴彦は「(GKコーチが)代わったから、何かやることが変わるかと言われれば別にそうではない。やってきたことはそのままで、教える人が違うだけ。別に自分のプレースタイルがガラリと変わるはずもないと思う。拓也さんの考え方も、敬太さんの考え方もあるということは、ポジティブに守り方が増えるわけで、自分ができることを多くしていきたい」とプラスに捉えていた。
なお、シーズン中にGKコーチが交代となった理由に関しては、松本GKコーチが将来的に海外でGK指導の技術を学びたい意向を示しているため。クラブの了承も得て、このタイミングでトップチームから離れることとなった。
写真:須賀大輔
(柏担当 須賀大輔)
2018/05/25 07:00