
9日に行われたルヴァンカップGS第5節で、衝撃のデビューを果たした名古屋の榎本大輝(東海学園大在学中、強化指定選手)が浦和との対戦を振り返った。
試合後はたくさんの報道陣に囲まれた榎本。名古屋の記者よりも関東の記者が多く取り囲んだことからも、その衝撃の強さがうかがえる。SNSでも「榎本大輝というとんでもないものを見て大満足」「すごい!わくわくする」「榎本くんがグランパスを引っ張ってる」と称賛の嵐で、風間八宏監督も「非常に良かった。一番はトライしたこと、これを続けて試合を決められる選手になってほしい」と高く評価した。
一夜明けて榎本は「疲れましたね」「緊張はしなかったです」「手応えはぼちぼちです」と何とも短いフレーズのオンパレード。ただ「ドリブルはできると思った」と、自分の一番の特徴を出せたことにほっとしたようだった。
榎本と話をしていると、同じく今季デビューした菅原由勢とのギャップに驚く。しっかりと言葉を考えて、理路整然と質問に答える菅原と、短い言葉で感覚的に返答する榎本。それでも二人とも「将来すごい選手になるんじゃないか」と感じさせる部分がある。自分の武器に絶対的な自信を持ち、もっと成長しようという野心にあふれ、そして人をひきつける不思議な雰囲気を持っているのだ。
リーグ戦で2カ月の間、勝利の無い名古屋だが、こうした若手の台頭がチーム内の競争を促進させチーム力を上げていく。主力組がうかうかしていられない状況にやっとなってきた。リーグ戦でも輝ける期待の星になれるか注目だ。
インタビューの最後、榎本に「まだまだ見せていないテクニックを隠しているよね?」と聞いた。すると榎本は「もちろんですよ」と、ニヤッと笑みを浮かべた。
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/05/11 17:37