前節・C大阪戦でようやく連敗を止めた名古屋。その立役者となったDF新井一耀が、初めての古巣、横浜FM戦へ向けての意気込みを語った。
「横浜FM戦に向けてキツいリハビリを頑張ってきた」
新井は、昨年8月に横浜FMから名古屋に期限付き移籍で加入。直後から6試合連続で先発出場を果たし1ゴールを挙げた。しかし9月9日の試合で左膝を負傷し、全治6カ月~8カ月の重傷と診断された。それでもチームは新井を高く評価。新井も「成長できる」と今オフに完全移籍での加入を決めた。
新井が復帰の目標に据えていたのが、この5月5日に設定された古巣・横浜FMとの一戦だった。一人黙々とリハビリに励んだ新井は、4月29日にようやく全体練習に合流。すると風間八宏監督は「もういってしまえ、できるところまでやろう」と、準備期間わずか3日で新井をC大阪戦に強行出場させる。新井も「驚いたけど、心の準備はできていた」と、横殴りの雨が降り続けるピッチに飛び出していった。
CBの右に入った新井。コンビを組むDFホーシャはもちろん、右SBのDF菅原由勢ともGKのランゲラックとも初めての実戦となったが、63分間プレーし無失点。試合に出ることができない間も、スタンドから意識して仲間の特徴をつぶさに観察し、「自分が一緒ならどうするか」とイメージしていたことが生きた。ホーシャも試合中、頻繁に新井に声をかけ、お互いの動きの確認をとってくれた。そうして新井は3節以来の無失点に大きく貢献。チームは9試合ぶりの勝点を得た。
「リハビリ中一番キツかったことは?」と聞くと、「チームがなかなか結果が出なかったこと」と答えた新井。「みんなの顔や雰囲気を見て『悔しい』という気持ちがすごく伝わってきて『みんなと結果を出したい』と強く思っていたことが、キツいリハビリを乗り越えられた理由だと思います」と続けた。
今節・横浜FM戦は中2日という強行日程で先発起用されるか、途中出場なのか微妙な判断になると思うが、気になる膝の状態は問題なさそうだと言う。
「マリノス戦に出たいという一心でリハビリを続けてきたので、対戦は楽しみでしょうがない。監督やサポーターの期待はすごく感じているし、前節は引き分けだったので、もっと頑張って勝利に直結するプレーをしたい」
大ケガからの復活を期す新井の活躍が、名古屋に2カ月ぶりの勝点3をもたらすかもしれない。
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/05/05 11:20