18日に行われる古巣・川崎F戦を前に、名古屋の風間八宏監督は極限までリスクを排除し、勝利を目指すことにした。
生来の負けず嫌いの血が騒いだのだろうか。もともと試合の2日前から練習は非公開となっているが、記者はその日まで選手のコメントを取ることができた。しかし今節は3日前の練習取材中に、選手へのインタビューを禁止すると突然の通達。困った記者団から折衷案が提示され、限られた選手のみ対面せずに、TV電話のような通信機器を使って取材することが許された。
川崎Fは風間監督がその基盤を作ったチーム。昨季の王者でもあり、同じポリシーを持って戦うチームをここでたたけば、勢いに乗ることができるだろう。かつての教え子たちを「もちろんみんなかわいい選手だし、素晴らしい選手になった」と喜ぶが、「いまの息子はグランパスの子たち。彼らの力をしっかり出してもらいたい」とプロらしく心は完全に名古屋に置いている。
「どこが相手でも同じ。自分たちがどれだけできるか」と、風間監督はいつもと変わらぬコメントをするが、行動的には神経を細やかに、水も漏らさぬように選手たちへの配慮を見せた。
決勝戦などの大一番で取材規制し、選手の集中力を高めたいとするのはよくある話。しかし開幕から4戦目での規制は異例中の異例だ。それだけこの一戦は、風間監督にとって絶対に負けられない闘いなのだろう。鉄のカーテンならぬ、風(間)のカーテンで王者に挑む。
写真:斎藤孝一
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/03/16 15:19