異色の経歴の持ち主がJ1デビューを迎える。
7日にルヴァンカップ初戦を迎える長崎だが、この大会では21歳以下の選手の先発が義務づけられている。このレギュレーションにより、出場が確定的なのが名倉巧だ。現在、チームに登録されている21歳以下の選手は名倉とU-18から二種登録されている江川湧清の2名だけ。さらに江川が現在、けがでプレーできない状況で、神戸戦での名倉の先発が極めて濃厚な状況となっている。
「周りの人たちはたぶん僕のことをルヴァンカップ要員だと思っているでしょうけど試合に出れば関係ない。自分がよければ使ってもらえると思います。ルヴァンカップだけじゃなくリーグ戦でも出られるように、そこを目指して頑張っていきたい」と名倉自身も意欲的に話す。レギュレーションという“追い風”を味方にし、ここから自分の立ち位置を変えていきたいところだ。
J3の琉球に所属していた昨季は専修大にも在学しており、プロサッカー選手と学生の二足の草鞋を履いた。週の前半は東京で学業、後半は沖縄でサッカー選手という生活の中で、「限られた時間ので、いかに有効に時間を自分のために使っていくかは考えるようになった」と話す。東京にいてチーム練習ができないときは「自分に不足していた」という体作りのトレーニングに励むなど、「否定的に『無理だろ』と考えるよりは、いまできることにしっかり取り組んでいく。どんどんプラスに考えてという感じ」で取り組み、22試合で4得点という結果を残した。
今季は専修大を休学して、長崎でのプレーに集中する。「緊張して何もできないのはもったいない。何か行動を起こさないとできることもできない」、初めて立つJ1のピッチで名倉だが臆することなく持てる力をぶつけていく。
(長崎担当 杉山文宣)
2018/03/06 09:20