19日に行われる千葉のJ2最終節の対戦相手は横浜FC。そこには王様、MFレアンドロ・ドミンゲスが君臨する。そして柏時代、ともにJ1タイトルを勝ち獲ったのが、千葉のDF近藤直也。公式戦では初めてとなるかつての盟友との対戦を素直に「楽しみ」と語り、ともに戦ったからこそ知る司令塔のすごみを明かしてくれた。
そのレアンドロについて、近藤の第一声は「スーパーな選手」。そして、こう続ける。
「(11年にJ1で)優勝した年やその翌年に関しては、ボールを持ったら『アイツを見ろ』みたいな。レアンドロに預けて、それに合わせて周りの選手が走れば、そこにピッタリとボールが来た」と懐かしそうに振り返る。
当時はCBの近藤がビルドアップの起点を担い、出し手と受け手との関係だった。その中の一つのエピソードに、すごみが垣間見える。
「後ろで僕がボールを持ったら、レアンドロが(相手)ボランチの後ろとかで必ず手を挙げている。普通に考えたら、ゴロでは通らない。だから浮き球で胸にくれとか、そういう要求があった。自分もそういうパスが得意だったので、良い関係が築けていた。今までサッカーをやってきた中で、自分の中では一番やりやすい。パスを出しづらいところにはいるけど、(相手)ボランチが完全に見えてないところで呼んでいるから、そこに出せば、一気に局面が変わる。そのセンスはある」
“クサビのパス=低弾道”というイメージを覆すエピソード。最終ラインからのパスとしては非常にリスクが高く、出すほうも、受けるほうも高難度の技術を要す。逆に、その選択が功を奏し続けたからこそ、Jの頂に辿り着いたのだろう。
「同じ歳だし、ひさびさの対戦だし、楽しみ。ポジション的にかぶることはあんまりないだろうけど、レアンドロとイバというすごく強力な二人がいるので、後ろの選手としてはやりがいはある。そこをゼロに抑えられれば、自信にもなる」
19日のゲームは千葉にとってJ1昇格プレーオフ進出が懸かる大事な一戦となるが、そう言って純粋に対戦を待ち望む。千葉の勝敗に気をとらわれそうだが、二人が交じり合うシーンも見どころの一つと言えそうだ。
(千葉担当 大林洋平)
2017/11/17 07:00