21日のJ1第30節・神戸戦で鳥栖のビクトル・イバルボが負傷し、29日の第31節・新潟戦の欠場は確実。驚異のキープ力で戦術の根幹を担っていたコロンビア人アタッカーの不在はチームにとって痛手だ。しかし、イバルボが欠場となっても豊田陽平がいるのは鳥栖にとって心強い点。先発の可能性は十分にあるだろう。豊田自身も「チームの流れは悪くないと思うので、しっかりその流れを止めないように、勝つことが一番大事。そこをまずは念頭に置いてプレーしたい」と意気込みを話した。
今季はチームとしてクロスが減り、持ち味の力強いヘディングからの得点が鳴りを潜めてしまっている。チームのために戦い、チームから生かされる。その好循環で得点を重ねてきたが、今季は苦しんでいる。それでもマッシモ・フィッカデンティ監督は「グループの中ですごく重要な存在であることはまったく変わらない。練習の取り組み方というところでもみんなを引っ張ってくれている」と信頼は揺るがない。豊田自身も「自分を犠牲にしてでも、身を粉にして鳥栖のためにやると言って残っているから、そこをおろそかにできない」という気持ちを姿勢で示し続けている。
しかし、例年と違う状況の中で多少の変化もあったようだ。「タイトルを獲るために自分の残りのキャリアでできることをしたい。あとはサッカー選手として後悔なく、良いタイミングで終えられるように。昔は楽しくというのは考えなかったけど、しっかり楽しくやっていければいい」という心境にいまはあると話した。
「しっかりチームが勝てるように、それにプラスして後悔がないように楽しみたい」。フォア・ザ・チームの先に豊田が求めるもの。新潟戦で豊田が苦境を切り開くことを期待したい。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2017/10/27 12:00