1日に行われた徳島と讃岐の一戦、『東四国クラシコ』翌日の2日、両者は練習試合で再び組み合った。
その中で珍しい一幕があった。徳島DF内田裕斗がドリブルでしかけてファウルを誘い、ペナルティーエリアのすぐ側でFKを獲得する。キッカーとして立ったのは、なんとGKの松澤香輝。観戦に訪れた方々も、その光景にざわつく。
だが、本人は蹴る気満々。迷いなく右足を振り抜き、壁に当たりながらも勢いは衰えずにゴールへと吸い込まれた。試合後、リカルド・ロドリゲス監督は「チラベルト!」と口にしながらクラブハウスへ引き上げていった。
松澤は「4試合前くらいの練習試合から蹴る可能性がありました。(自分が出場している時間帯に)チャンスがあったら『蹴れ』と言われていましたが、今日までその機会はありませんでした」と言う。なぜ、キッカーの可能性が生まれたのか。
「GKの練習で、エグいシュートを打ったのを見たんだと思います。そこから監督は、俺のことを『チラベルト』と呼ぶようになりました。最初は冗談だと思っていましたよ(笑)」
もちろんそれは冗談ではなく、本気中の本気だったそう。松澤は「これだけ言われたらやるしかない」と覚悟を決めた。
小学生時代にパントキックがそのまま入って1点、東京Vのジュニアユース時代にCKからヘディングシュートを決めて1点。そして本日、松澤の得点記録は『3』に更新された。これまでも意外に得点していた事実が同時に発覚している。
写真・柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
(徳島担当 柏原敏)
2017/10/02 17:29