前々節・水戸戦と前節・讃岐戦では、左SB亀川諒史の攻撃参加が特別に光った。
今季はサイドでボールを受けると一旦はドルブルでしかける体勢を取りながら、結局は横パスやバックパスを選択する場面が多かった。しかし、ここ2試合はボールを受ければ積極的にドリブルでしかけ、またゴール前に顔を出す場面が増えた。讃岐戦ではオフサイドの判定となったが、ゴールネットを揺らすシーンがあり、またMF山瀬功治の2点目につながるボックス内でのシュートも放った。
この変化は単なる外から見た印象ではなく、本人もハッキリと自覚していた。そしてそうなった理由を次のように話した。
「確かに最近は『ミスをしてはいけない』とセーフティーなプレーを選ぶ傾向にあった。一昨季、昨季あたりはボールを取られても100%の力で戻って対応すればいいという考えをもとに、少しくらい体勢が悪くてもどんどんしかけていた。ミスして当たり前。そういう気持ちを思い出してプレーできているのが、この2試合だと思う」
そして、積極性を取り戻すもう一つのカギは、逆サイドにいる“あの人”の存在。
「コマさん(駒野友一)は1、2回のチャンスを生かす質の高いプレーができる。僕にはまだその質が備わっていない。だったら回数を増やすしかない。質より量。そこを意識していこうと思った」
本人は認めないが、「尻に火がついたのでは」と井原正巳監督が言う、DFエウレーという新戦力の加入もここにきての変化の理由かもしれない。いずれにしても、ミスしてなお、しかけ続けるカメが終盤戦のキーマンの一人になると予想する。
(福岡担当 島田徹)
2017/09/07 18:31