これまで一貫してCBとして起用されてきた長崎の田代真一だが、前節は松本対策の一環としてボランチで起用された。高木琢也監督も「ボランチ寄りのCB」と評するようにその適性を感じていた中での起用となった。「バイタルエリアを守ることはしっかりやってくれた」と指揮官も評価したように、与えられた役割をこなし、勝利に貢献した。
田代は守備だけでなく攻撃でも好影響をもたらしていた。「ボランチとしてのボールの動かした方は長くやっていないので課題はある」と高木監督は話したが、「うまくさばいてくれたし、攻撃の起点をつぶしてくれたので、そのぶん自分たちのボール保持が高まった」と北谷が話せば、島田も「高い位置から奪いに行けていたのでそれが良い攻撃にもつながった」と話している。田代が守備の安定に一役買ったことでチームの循環が良くなったようだ。
当の本人は「まずは守備」と話しながらも、「ボールを動かすときのテンポとリズムは改善していきたい。あとは長短のパスの使い分け」と攻撃面への関与にも意欲を示している。「ボランチもCBもどちらもできれば強みになるし、どちらのポジションの気持ちも分かるようになると思うので、自分としてはポジティブに取り組んでいる」とボランチでのプレーは良い刺激をもたらしている様子だった。
次節・横浜FC戦の会場であるニッパツ三ツ沢球技場は横浜FMの下部組織で育ち、トップチームでのプレー経験もある田代にとっては思い入れのあるスタジアム。「10歳のときからプレーしてきた場所。そこでまたプレーできるのはうれしい」。思い出のスタジアムでボランチとしての新しい領域を開拓したいところだ。
(長崎担当 杉山文宣)
2017/07/20 18:50