今節、四国ダービーとしてライバルの徳島と激突する愛媛だが、愛媛指揮官の間瀬秀一監督は徳島について「1周回って新しい(チーム)」と表現している。
それが徳島の何を指しているかといえば“システム”のこと。徳島が現在ベースとしているシステムは[4-4-2]。それ自体は珍しいものではないが、中盤の形がダブルボランチではなく、トップ下に一人を置くダイヤモンド型。それを採用しているのは「(J2リーグで)徳島しかやっていない」ことに間瀬監督は注目している。
中盤ダイヤモンド型の[4-4-2]はかつて流行したシステムだが、さまざまなシステムのトレンドが移り変わることで、これを採用するチームは徐々になくなり、いまとなっては“時代遅れ”と揶揄されるものとなっていた。
しかし、間瀬監督はこれに反論。「世の中の業界は直線になっている業界と、ループになっている業界の2種類に分かれる」という持論を展開した。
「例えば電化製品。白黒テレビだったもの(がカラーになって、それ)にリモコンがついて、液晶画面になって、さらに薄型になって大画面になる。これは直線の業界。もうみんなで白黒テレビを見ようということにはならない。でも、サッカーはループの業界。ファッションも同じですよ。以前流行っていたダウンジャケットが一周回ってまた流行ったりとかする。制限があるという業界は絶対にループして回っていく。ファッションで言えば人間の手と足は二本ずつしかないから素材と形でしか変化をつけれない。サッカーもそう。同じピッチサイズでの11対11なのは変わらない。そういう意味で徳島のシステムは一周してきて先を行っているのかもしれない。そこが面白いところ」
その一周回って先を進む徳島に対し、愛媛はさらに先回りをすることができるだろうか。
(愛媛担当 松本隆志)
2017/06/30 19:41