東京V・羽生英之社長(53)が29日、本紙の単独取材に応じ、噂されるトッティ(40)との交渉状況について口を開いた。
イタリアとの関係が深い日本側の仲介人とともに6月に入ってから交渉を続けて、現在はトッティサイドから示された額とそう遠くない条件を提示中。これには引退後のアンバサダー契約も含まれている。羽生社長自らが「懇意にしているスポンサー、中心となる2名の人たち」のサポートを受けて金額を準備した。
トッティがギリシャで過ごすバカンスを終えて、東京Vや米国クラブの提示に回答するのは7月1日、2日の間の予定。仲介人によるとトッティは「ローマという都市の将来を考えて、東京のようになってほしい」という願いがあり、「東京という都市に大きな興味を持っている」。数ある日本のクラブの中から、Jリーグ初代王者の首都クラブ・東京Vを指定したというトッティ。加入の可能性は大いにあると言えそうだ。
交渉が進んだとして、羽生社長は「『決して観光などではなく、J1昇格への切り札になってくれるか』、『たくさんの人が今回の話で奔走している。プレー以外の面でも協力してくれるか』の2点を確認した上で握手したい」と語る。
また、事前に相談していたという「ロティーナ監督なら彼を組み込んでも大丈夫という確信がある」とも付け加えた。今季から東京Vの指揮官となったロティーナ監督(59)は、コパ・デル・レイ王者になった経験もあるスペインの智将だ。昨季18位に沈んだ東京Vを現在3位まで押し上げたチームマネジメント力は確か。型に選手をハメるのではなく、選手に合った型を用意する指揮官でもある。トッティ加入によってチームが分解することはないと、社長も信頼を寄せている。
東京Vは“再興”のために本気でトッティを獲得しようとしているーー。すでに世界的なニュースとなっている今回の一件。ラテンの血が流れる情熱の“王子”に、その熱き思いは届くか。
(東京V担当 田中直希)
2017/06/30 07:10