普段なら、ほかの選手と比べても遅めにミックスゾーンに姿を現し、丁寧に取材に応じるMF細貝萌だが、前節・浦和戦後は違った。たくさんの報道陣が集まるミックスゾーンに柏の選手では最初に姿を現すと、親しい関係者と一言二言交わし、足早に通り過ぎて行った。
浦和戦翌日から3日間のオフが明けた8日、その理由を本人に尋ねると「自分の中でしっかりと(気持ちの)整理ができていなかった。そこで中途半端な発言をしてはいけないと思っていたので、そのときはスッと通った」と理由を説明。そして、試合後に浦和サポーターへ挨拶に行ったことに関してこう続けた。
「(浦和は)お世話になったクラブ。もちろんスタッフや選手とは普段から連絡も取るし、会うし、当然挨拶にも行くけど、日本に戻って来ても、サポーターの一人ひとりに『日本に帰ってきました』という挨拶はできないので、(帰ってきて)初めて浦和と対戦するタイミングで、挨拶に行くべきだと自分は思って行った。いろいろな考えがある中でも『柏で頑張れ』と言ってくれる人がいる。ホームページへのメッセージもそうだけど、ポジティブなことを言ってくれる人のために挨拶に行って、良かったと思います」
どこかスッキリとした表情を浮かべながら、「大好きなクラブ」との対戦を振り返った細貝。9月には埼玉スタジアムに乗り込んで対戦することになるが、「そのときに自分がどうなっているかも分からない。プレーできていれば良いですけど、けがをしている可能性もゼロではない。だから、そこに(特別な意識を持って)向かっていくということは自分の中ではないですね。次の試合に向かって毎週ベストを尽くしていく。生きていれば“そのとき”は来ると思うので、そのときにまた考えれば良いかなと思います」と冷静に語った。
(柏担当 須賀大輔)
2017/06/08 18:20