長崎の高木琢也監督がPKの舞台裏について語った。
前節・大分戦で今季初の逆転勝利を挙げた長崎。この試合では2度のPKがあったが一度目はファンマが成功。二度目はファンマが止められるも中村慶太が詰めて、ゴールに押し込んだ。どちらのPKの場面も高木監督は蹴る前に選手に声を掛けている。一度目はキッカーであるファンマ自身に。二度目は髙杉亮太だ。
まずは一度目のPKでファンマに伝えたのは「ジャッジとかプレーに対して彼の中で気負う部分がちょっとあったんじゃないかなと思うところがあったので呼んで説教しました(笑)。少し集中していなかったので『とにかく集中して蹴りなさい』と、それだけ言いました」ということ。このアドバイスの甲斐もあってファンマはこのPKを見事に成功させた。
そして、二度目のPKでは髙杉にあることを伝え、伝令させている。その伝令もファンマにではなく周囲の選手へのものだった。「何となくファンマが失敗しそうな感じがした」という高木監督の野性の勘がこのとき、働いていた。「ただ、外すと言っても変な外し方はしないだろうから周りの選手に『しっかり詰めろよ』ということを伝えた」と試合から2日経ったこの日に明かした。
そして、実際にファンマはPKを止められてしまったがそのこぼれ球に中村がしっかりと詰めて押し込み、決勝点が生まれる。高木監督は「何となく」とその理由を話しているが細部まで徹底し、選手に意識させたあたりはさすが勝負師だろう。そして、細部を怠らなかったからこそ、それが現実のものになった。
勝負師としての野性の勘と徹底、それが合わさった。2度のPKの舞台裏にはどちらも高木監督の言葉があった。
(長崎担当 杉山文宣)
2017/05/19 18:52