かつての恩師の前で成長した姿を見せたい――。以前所属していた湘南との“古巣戦”を前に町田の吉濱遼平は自身の活躍を誓っている。
湘南・曺貴裁監督との出会いは小学校時代。その後、曺監督が04年に川崎Fの下部組織を離れて、C大阪のトップチームコーチに就任する際、吉濱は同僚らとともに“お別れ会”を開いたという。「『セレッソに行かないで!』と泣いてチョウさん(曺貴裁監督)を止めたのに…」。それはもはや過去の笑い話でもある。
時を経て、12年には松蔭大在籍時に選出された神奈川県選抜チームで曺監督率いる湘南とトレーニングマッチを戦った。「おまえ、まだサッカーをしていたのか」。曺監督のそんな言葉が湘南加入の一つのきっかけとなり、同年に湘南の特別指定選手として認定。12年のJ2最終節・町田戦ではベンチでJ1昇格の瞬間に立ち会った。
「僕をプロに引き上げてくれた恩人」といまでも曺監督の前で頭は上がらない。しかし、勝負となれば話は別。現在、J2アシストランキングで上位につける吉濱は「個人よりもまずはチームの勝利。得意の攻撃で得点に絡みたい」と話し、恩師の前での勝利を誓った。
(町田担当 郡司聡)
2017/05/05 21:24