
5月1日、浦和の平川忠亮が38歳の誕生日を迎えた。
チームがさいたまダービーで敗れてしまった翌日の誕生日となったことで、平川は「結果は残念。出ている選手だけではなく、出ていない選手も切り替えてやっていかないといけない」と話した。
試合に出ている選手だけでなく、そうでない選手も一丸となる。それが浦和のポリシーだ。今季の公式戦では富士・ゼロックススーパーカップを除いてメンバー入りできない状況が続いている平川だが、それでも「チームのためにできることは何でもやりたい」と口にする。そして、その気持ちを日頃から行動で表している。
上位争いを続ける浦和が、日々、質の高いトレーニングができているのは、試合に出ている選手だけでなく、出場機会が限られている選手が作り出しているから。平川も、その一人だ。
今季のトレーニングでは本職のワイドのポジションだけでなく、ストッパーでプレーすることも少なくないが、戦術理解度の高さからなる狡猾な守備は日頃から試合に出ている選手をも苦しめる。そして積極的にコミュニケーションを取りながら横から、また後ろから平川が送る的確な指示は、特に若手選手にとっては頼もしいものとなっている。
先日はうれしいニュースも飛び込んできた。清水商業高(現・清水桜が丘高)の同級生であり、浦和でも苦楽をともにした札幌の小野伸二がルヴァンカップでゴールを決めた。小野とは「あいつが辞めない限り、俺も辞めない」と言い合う仲。そんな戦友の「素晴らしいゴール」に「刺激を受けた」。そして「自分もピッチに立てるようにやっていくしかない」と決意を新たにした。
「38歳になってレッズでプレーできるのは幸せなこと」
38歳は浦和のレジェンドであり、“鉄人”とも呼ばれた山田暢久氏が現役を引退した年齢。平川は7月以降にリーグ戦に出場すれば、山田氏が持つクラブ最年長出場記録を更新する。その記録はさておき、平川は再びピッチに立つため、「1日1日無駄にせずに過ごしていきたい」と誓っていた。
そして何より、入団して16年目を迎えた浦和が「優勝するため」、日々努力を惜しまずにプレーし続ける。
(浦和担当 菊地正典)
2017/05/01 19:59