
22日、湘南は今節・千葉戦に向けてトレーニングを行った。その練習前、ミーティングで曺貴裁監督は選手たちにこう話した。
「上を目指すことは大事だけど、俺たちを目指しているチームがあるということを分からないとダメだぞ」。
最近、曺貴裁監督は、J3のハイライトやスカパー!の『Jのミライ〜J3の現在地〜』を見たという。そこで目の当たりにしたのは、応援したくなるような、ひたむきさを表現しているサッカー。お金がなくてもどん欲に上を目指すクラブ、選手の姿だった。
下のカテゴリーの選手たちにとって湘南というクラブは、プロとしてお金をもらってサッカーに集中できる最高の環境だ。対してJ3クラブのほとんどは厳しい現状。練習後に仕事があるため、限られた時間でトレーニングをしなければならない。そんな状況で、技術では劣るものの“頑張ること”を忘れずプレーをしている。
湘南の前節・愛媛戦は一つひとつのプレー、ボールに食らい付くシーンがあまりなく、アグレッシブにプレーする湘南らしさが影を潜めた。しかし振り返れば、選手たちが現在プロサッカー選手でいられるのは“頑張ること”を忘れなかったから。そして、それは湘南というクラブも同じ。「ここまでクラブが何の努力もなくきたわけではない。いろいろなトライやチャレンジをしてきていまがある。その気持ちを失ってはいけない」(曺貴裁監督)。
人から愛され、応援されるようになっていくには、必ずその姿勢が必要だ。今節・千葉戦では、胸が熱くなるような試合をホームで繰り広げてくれることに期待したい。
(湘南担当 高澤真輝)
2017/03/22 17:38