来季の監督就任が11月15日に発表されている甲府の吉田達磨新監督が12日にクラブ内で取材に応じた。
来季の戦力・スタッフ構成などまだ未確定な要素が多いため、具体的な戦い方などについては言及しなかったが、「僕に対するイメージを選手や皆さんも持っていると思うが、トレーニングをやれば『守備練習の時間が長いなぁ』など意外に思うことがあると思う」と、イメージとそれに対する甲府の現実の間を埋めるコメントをした。何かを大きく変えるのではなく、現実的にはJ1残留が最大の目標であることも話し、「選手と顔を合わせないと何を求めるのか、何を求めてはいけないのか見えてこないし、それは肌感覚のところ。(戦力が上の相手でも引き分けることができるなど)根気強く戦うことが大事で、それができれば選手が能動的にプレーしていくことにトライできるのではないか。そこから『コイツらイヤだな』と相手に思われるチームになっていくことが次のステップになっていくと思う。ボールを奪いに行くことは取り組まないといけないし、マイボールの時間がヒヤヒヤする時間ではあってはいけない。これらのことを大事にして進めていきたい」と現時点で話せる方向性を示した。
吉田新監督とファン・サポーター、クラブ、スポンサー、そして記者とのハネムーンは穏やかに始まった印象。来季のJ1は甲府と予算規模が同等のクラブが一つもなく、この点では断トツの最下位の見込み。今季以上の厳しい戦いが予想されるが、金(カネ)で順位を決めさせない達磨甲府が17年の荒野にどんな足跡を残すのか注目だ。
写真:松尾潤
(甲府担当 マツオジュン)
2016/12/12 18:07