最終節・広島戦を翌日に控えた2日、新潟はトレーニングの冒頭を非公開とし、J1残留争いを決する大一番への最終調整を行った。
締めの円陣で、片渕浩一郎監督に続いて話したのは内田潤コーチ。現役時代の08年、最終節・G大阪戦までもつれた残留争いを、後半ロスタイムの決勝ゴールで救った男でもある。「コーチとしてより、OBとして」、選手に伝えたいことがあったという。
一つは、不安やプレッシャーを受け入れ、「やるんだ」という覚悟を持って試合に入ろうということ。もう一つは、心配している人たちを幸せにしようということ。「そういう人たちを笑顔にできるのは自分たちだけ。誰かのために頑張ろうというのは、一つの力になるよ、と話しました」。
帰り際に声をかけた選手たちが「緊張はあるけれど、うまくモチベーションに変えたい」(松原健)、「プレッシャーをうまく受け入れられれば、良い方向へ向かえると思う」(増田繁人)と話していたことからも、その言葉はしっかりと響いているようだ。
広島戦に向けて、コーチとしての心構えを聞くと「選手に良い言葉をかけて、良いテンションでウォーミングアップをして、良い精神状態でピッチに送り出すこと」。そしてベンチでは「監督の決断の助けや、後押しになることができれば」と、笑顔でメディア陣に話してくれた。残留争いを乗り越えた経験を生かし、重圧の掛かる監督や選手たちを、ポジティブに支えていく。
写真:野本桂子
(新潟担当 野本桂子)
2016/11/03 11:26