
クラブ史上最高成績を更新し続ける大宮にあって、しんがりを務めるGK塩田仁史の貢献度は非常に高い。試合でのパフォーマンスはもちろん、トレーニングから一切妥協せず、時にはチームメートへの厳しい意見も躊躇せずにぶつける。良い意味での緊張感を生み出す存在であり、自身もチームのメンタルコンディションに手ごたえを感じている。
「このチームはいま、良いと思う。驕るやつらがいないから。10試合負けなしだからって、『俺ら、強いぞ』って思っているやつは一人もいない」
そして、塩田のそうした姿を誰よりもよく知っているのが、最終戦の相手となる古巣・FC東京に関わる人々だろう。今季は開幕戦の相手もFC東京。思い入れの深いチームとの対戦に向けて「いろいろな思いをひっくるめてメンタルをコントロールすることが重要」と語るが、開幕戦とは違う部分もある。
「開幕戦のときは味スタのずっと戦っていたピッチでやるという思いもあったけど、今回はウチのホームでやれる。そんなに意識せずに戦いたい。僕らにとって重要な一戦であることは間違いない。どこが相手でも、やるべきことをやる。毎回、そういう準備をして戦ってきた。とにかくゲームに集中したい」
いまのホームは、NACK5スタジアム大宮。「サポーターとともに勝ちたいという気持ちを持ってやりたい」と口にする熱い男は、変わらず妥協のない姿勢で勝利、そして年間4位をつかみ取る。
(大宮担当 片村光博)
2016/10/31 21:21