9日、日本代表は11日に行われるW杯アジア最終予選・豪州戦に向けた練習を豪州・メルボルン市内で行った。前日の練習で別メニューとなった岡崎慎司は、結局左足首の痛みが引かずにこの日は宿舎での調整となり、グラウンドに姿を表さなかった。
トレーニングは開始冒頭15分のみの公開となり、その後は報道陣やファンをシャットアウトし、豪州戦に向けた実戦形式のメニューを行った模様だ。
6日に行われたイラク戦で、先月のタイ戦に続き2試合連続ゴールを挙げて勝利に貢献した原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)は、豪州戦でも左サイドのアタッカーとして先発が濃厚だ。原口にとって初めての豪州戦は、かつて浦和時代にともにプレーしたDFマシュー・スピラノビッチ(杭州緑城/中国)との“再会戦”でもある。
「あいつも浦和のときから成長したと思うし、長い間プレーを見ていないけど、浦和時代からポテンシャルが高い選手だった。何よりひさびさに会えることが楽しみですね」とリラックスした表情で語った。
この話題のときだけでなく、終始、原口は落ち着いていた。自身、初の最終予選であり、さらにハリルジャパンはグループ4位に沈むなど、チームも万全の戦いぶりとは言えない状況だ。それでも、結果を出していることが原口の自信につながっている。
「僕はどの試合も変わらず、同じような気持ちで戦う。この試合も勝ちにいくだけ」。シンプルな意気込みが、余計に強さを滲み出させていた。
ドリブルや得点という日本でプレーしていたころからの武器だけでなく、ドイツ移籍後は運動量と球際での激しさを身に付けた。豪州の選手は欧州の選手と同じような体格、フィジカル能力を有する。ドイツでの経験を、直接代表でも生かす時がきた。
「アジアでも、フィジカルが強い相手との試合になる。球際の争いで逃げたら、はじかれる。自分から奪いにいけば、相手にプレッシャーが掛かる。そのあたりのプレーはドイツで慣れているので、イメージしやすい」
豪州には同じドイツでプレーするマシュー・レッキー(インゴルシュタット)やロビー・クルーズ(レバークーゼン)といったアタッカーがいる。
「その二人はすごく良い選手。日本人がイヤがるようなドリブルもしてくる。レッキーとは直近の試合で対戦して、何回かマッチアップもした。前に速いし、強さもある。一か八かのドリブル勝負もしてくるので、そのあたりはSB、CBの選手に伝えたい」
勢い任せのプレーではない。前にも仕掛け、点も狙い、そして激しく戦うこともできるようになった原口。そこにドイツでの日々の経験も重ねて、豪州戦での勝利に貢献する。
文:西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/10/09 19:38