「一緒にピッチに立とう」。そう誓い合って、流通経済大からプロに挑んだ長崎の田上大地と中村慶太。2人の大卒ルーキーは互いを刺激し合いながら、着実にプロの世界で経験と実績を積み重ねている。
田上はリーグ戦ここまで15試合、897分に出場。先月末の天皇杯1回戦にフル出場したことで、出場時間が900分を超え、A契約へ変更となった。長崎で大卒ルーキーがA契約を勝ち取ったのは初めてで、本人も「人数に限りのあるA契約を締結できたことで、チームにおける責任、自覚を意識していきたい」とその重さを痛感中だ。一方で「慶太のほうが試合出場も多いし、試合に多く絡んでいるので、もっと試合に出場できるように頑張りたい」と中村に劣る試合出場数を増やすことを目指している。
対する中村慶太は田上を超える25試合に出場し2得点をあげているが、出場時間は天皇杯を足しても900分に及ばず契約は以前としてC契約(年俸の上限が480万円で、新卒入団選手が規定の試合出場時間をクリアするまで結ぶ契約)のまま。「出場できるだけありがたいと思っていますが、もっと多くの時間に出場できるようになりたいです」と、田上と対照的にこちらは出場時間の長さを伸ばすことを目指している。
ライバルというほど、張り合いはしない。相棒というほど、馴れ合いはしない。攻と守、出場試合数と出場時間…対照的なはずなのに、どこか同じものを見ているような田上と中村。高校時代からともに過ごした2人は、リーグ戦残り10試合でどんな成長を見せてくれるだろうか。
(長崎担当 藤原裕久)
2016/09/23 18:46