J1リーグ記録に並ぶ8試合連続ゴールに王手をかけた小林悠だが、今節の対戦相手・鳥栖には苦い思い出がある。12年のJ1第21節、ホームでの鳥栖戦。1-2のビハインドの状況で川崎FはPKを獲得した。しかし、小林が蹴ったボールはGK奥田達朗に止められ、同点にする絶好のチャンスを逸してしまう。川崎Fはそのまま鳥栖に敗戦を喫した。
この試合後は「風間さんにけっこう怒られた」(小林)そうだが、ただ外しただけではなく、ここには裏話が存在した。
「あのときはメンタルが弱くて、いつも蹴っているほうではないほうに蹴ったんですよ。実はトヨくん(豊田陽平)か誰かに『データ取ってるから』と言われて、『え、データ取ってんの!?』と思って、いつもと逆の方向に蹴ったんですよね(笑)。『メンタル弱っ!』と(自分でも)思いました」
確かに当時の映像を見返してみると、小林が蹴る前に豊田が近付いて耳元で何かを言っているようにも見える。この一件があってから、小林はPKを蹴っていない。
ここで気になったのが、仮にこの一戦でチームがPKを取ったらどうするのか、ということ。本人にこの質問を投げてみると、「自分が取ったものなら蹴りたいですね。リベンジで」と意気込んだ。ただ、「PKではないところで決めたい」とあくまで流れの中でゴールを奪いたいと強調。J1記録に並ぶ8試合連続ゴールへ向けて、メンタル面の準備は万全と言って良さそうだ。
(川崎F担当 竹中玲央奈)
2016/08/13 14:59