「原口の最初のころを思い出した」
笑いながら宇賀神友弥が語ったのは、高木俊幸のこと。高木は2試合連続先発出場を果たして2点目をアシストした前節・甲府戦(2◯0)のあと、「90分をとおしてウガくん(宇賀神)がずっと声を掛け続けてくれていたので、その指示もあって良い守備ができたと思う」と話していたが、冒頭の発言はそれを受けてのものだった。
宇賀神は高木を「ドリブルに自信を持ってここまで登り詰めた選手」と認めながら、「原口よりは話を聞いてくれるけど、守備の個人戦術という部分では(高木も)原口と同レベルにある」と考えている。だからこそ、「特徴をうまく生かしながら、守備で足りない部分を俺が補ってあげればいい」と思いながら後方からサポートしていた。
また、試合前には原口を例に挙げてこう話していたという。「原口も『前で自分が取れなきゃ守備じゃねえ』、『俺がボールを取れなきゃ意味がねえんだ』と最初は言っていた。でもそうではなくて、お前が行くことでほかの選手が取れれば、それもお前のお陰。そういうことを意識してくれればいいんだ」。
そして甲府戦で柏木陽介をして「やっと合格点」というプレーを見せた高木。柏木の評価を「変な話だけど」と苦笑しながら、「それが一番うれしい」と話していたが、宇賀神も「自分と縦関係になったときにしっかりやることができて、アイツが陽介から合格点をもらったのは自分のことのようにうれしい」と語り、「自分も原口のお陰でそういうところも成長した」と笑った。
高木の活躍の裏には、以前から目を掛けていた先輩と、彼が同じタイプの選手とともにプレーしたことによって得た経験があったのだった。
(浦和担当 菊地正典)
2016/08/03 17:57