20日のJ2第24節・町田戦、C大阪は7分に杉本健勇が先制点を奪い、幸先良く試合を進めながら、後半に3失点して逆転負け。残念な結果に終わった。そして試合後、バックスタンドの一部サポーターの野次に対して杉本が言い返す一幕もあった。
試合直後で互いに熱くなっていた状態での出来事とはいえ、チームの雰囲気を高める上で、決して好ましいことではない。翌21日、この一連の流れについて、現在は負傷欠場中の柿谷曜一朗に話を聞くと、「サポーターに伝えたいこと」として、以下のコメントを寄せてくれた。
「実際にどんな野次があったのか、ハッキリとした真相は分からないけど、それだけお互い本気になって戦っているということ。健勇はいま、俺がいないぶんもと思って必死になって戦っている。野次に対して言い返すことはいいことではないけど、アイツの気持ちもみんなに理解してほしい。健勇もまだまだ子どもやから、突っかかってしまうけど、そういう熱い気持ちがなくなったらアイツじゃない。プレーとしては、ふざけたことはしていない。ただ、『(心ない)野次は放っておけばいい』ということでもなく、僕らは受け止めないといけない。そして、本当にセレッソを強くしたいのであれば、例えば練習場で冷静にコミュニケーションを取るとか、もっと建設的な方法もあるんじゃないかと自分は思う」
サポーターは選手の気持ちに火をつけることのできる特別な存在であり、ホームスタジアムはチーム一丸の雰囲気を作ることのできる神聖な場所でもある。“叱咤激励”を込めたブーイングは時に必要だが、そこから逸脱したギスギスした空気からは、ポジティブな結果は生まれない。セレッソのことを誰よりも思い、セレッソを良くすることを常に考えている柿谷だからこそ、今回の提言があったのだろう。
(C大阪担当 小田尚史)
2016/07/21 22:44