かつてアメリカW杯で大会MVPを獲得し、バルセロナ(スペイン)などでも活躍した世界的ストライカー・ロマーリオ。その息子である金沢のロマリーニョがホームデビューを果たした。
加入当初は、守備や攻守の切り替えについていけずに戸惑うこともあり、タイトな寄せにつぶされることもしばしば。それでも、日々トレーニングを積み重ね、少しずつ金沢のサッカーに適応していった。
ただ、ここまでの出番はわずか1試合。その試合も出場時間は約10分間と短く、ボールタッチも少なかった。最後の出番からおよそ2カ月。15日に行われた東京V戦の74分、ロマリーニョはひさびさにピッチに立つと、直後の75分に中盤でボールを受けてタメを作り、水永の同点ゴールの起点となった。
その後も独特のタッチで前を向いてボールを運ぶなど、能力の片鱗を見せた。「サイドでボールを運べる選手の一人。その辺を彼に期待して右サイドで使った」という森下仁之監督の起用に応え、また、守備でも穴を作る場面はなかった。
「長い間試合に出られなかったが、いつも練習をハードにやっている。自分が出てから少しは流れを変えることができた。ドリブルやパスなど自分が得意なプレーを出せたので良かった」と試合を振り返ったロマリーニョ。「練習の中でもプレッシャーがすごく速い。それを乗り越えていけたら、もっと自分の良さが出せる」と、今後の課題克服についても意欲を見せた。
以前から「金沢には何でもある。食事にも慣れた」と話しており、金沢での暮らしを満喫している様子。ロマーリオの息子、ロマリーニョが本領を発揮するのは、これからだ。
(金沢担当 野中拓也)
2016/05/16 17:05