日本代表FW本田圭佑(ミラン)が25日、千葉市内で小学生相手にサッカースクールを行った。22日にはアメリカ・ロサンゼルスでも開催された同イベントは、今回は来年3月に幕張にオープンする『ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA』(千葉市美浜区)のプレオープンに合わせて行われ、会場には1,000人以上の観客が集まった。
100名の小学生とともに汗を流し、夢を持つことの大切さを伝えた本田。さらに午後には自身が実質オーナーを務めるオーストリア3部・SVホルンの第2回選手トライアウト3次選考が開かれ、2次選考を通過した選手と先日のJリーグトライアウトで声がかかった選手など合計16名が参加。アピールする選手たちに熱視線を注いでいた。
集まった取材陣に応じた本田。そこで、珍しい場面があった。
来季から小倉隆史GM兼監督のもと、新たなスタートを切る名古屋グランパス。これまで本田は公の場で、古巣について語ることはなかった。名古屋のクラブハウスを訪れたのは、09年の年末が最後。10年にリーグ優勝を果たした際には、優勝報告会でチームとサポーターに向けて映像でサプライズ登場していたが、過去に取材などで実際にチームにについて話すことはほとんどなかった。
その本田が、今回、彼らしい刺激的な言葉で名古屋にエールを送った。
「自分がプレーしたとき(05年~07年)に優勝していないので、サポーターが僕自身を“自分たちの選手だった”と思ってくれているか分からないですけど、個人的には3年間プレーしたチームということで、当然ながら密かに応援しています。優勝目指して頑張ってほしいと思っています。
先日、先輩の楢崎(正剛)さんがミラノに来て一緒に食事をしたんですけど。そこで、『ナラさん、何か目標作りましょうよ』と話しました。あの人は自分に厳しい人。でも、他人には厳しくできないから、グランパスは弱いんですよと。ナラさんが人に厳しくできれば、必ずグランパスが強くなると話しました。
名古屋にはもう何年も行っていないんですけど、グランパスを優勝させてパーティーを開いてくださいと。そのパーティーには出席します。メディアの皆さんも引き連れて行きますという話をしました。そのときまでナラさんは現役だという意味合いも込めて、一つの目標を二人で作りました。トヨタ自動車の豊田(章男)社長もグランパスの会長になられたということですし、そういう意味でもグランパスがすごいチームになっていけばと思っています」
先週、楢﨑はプライベートでヨーロッパを訪れ、イギリスで同じく名古屋時代の後輩の吉田麻也(サウサンプトン)と、そしてイタリアでは本田と再会を果たしていた。帰りの飛行機では日本代表とともに戦った長友佑都(インテル)とも同便となり、多くの会話を交わしていた。
そんな中、ミラノでは熱い”男の約束”が交わされていた。本田が偉大な先輩、そして古巣に向けて投げかけた愛情あふれるエール。来季の名古屋を支える、大きな原動力に成り得るかもしれない。(西川 結城)
(BLOGOLA編集部)
2015/12/25 19:25