日本代表DF太田宏介が、6月から始まるロシアW杯アジア2次予選のアウェイ試合に向けて、自身の経験を踏まえて警鐘を鳴らした。
代表Aマッチのキャップ数は5試合と決して多くはないが、デビュー戦が2010年1月のアジアカップ予選・イエメン戦だった。当時の現場の状況をこう語る。
「あの時はアメリカ大使館の管理の下で行動した。厳戒態勢で、警備の人はみんなナイフも持っていた。試合中にはピッチにペットボトルも飛んできたし、自分はスローインのときに怖かった。さらに試合後はバスが囲まれてしまって石も投げられたけど、警備の人がスタンガンで人を倒していた。そんなところを生で見たのももちろん初めて。『これが中東か』と思った」
今回の2次予選で日本はシンガポール、シリア、アフガニスタン、カンボジアと戦う。シリアとアフガニスタンは外務省が退避勧告を出している国だが、FIFAの最終判断によってはアウェイ戦が行われる可能性もまだ否定できない。
「まず自分はこういう話をする前に、代表メンバーに入らないといけない」と殊勝に語る太田。しかし彼が語ったとおり、アウェイ戦は地域によって危険も潜んでいる。万が一退避地域での試合が決定すれば、今回もリスクを伴う一戦になることだろう。
(FC東京担当 西川結城)
2015/04/16 07:00