モロッコで開催されているクラブW杯が準々決勝の2試合を終え、ベスト4が出そろった。欧州王者レアル・マドリーへの挑戦権を手にしたのは、メキシコの強豪クラブ、クルス・アスル。注目の一戦は日本時間26日(火)28時30分にキックオフを迎える。
白い巨人に挑むのはクルス・アスル
降りしきる雨の中、レアル・マドリーが待つ準決勝への切符をかけて、北中米カリブ王者・クルス・アスルをアジア王者・ウエスタン・シドニーが激突した。大きな水溜りが至るところにできる難しいピッチで行われた試合は、前半からクルス・アスルが主導権を握った。パスサッカーを主とするチームながらも、劣悪なピッチコンディションにいち早く対応し、冷静な状況判断と高い技術を見せ相手陣内に攻め込んでいく。だが試合を先に動かしたのは豪州の雄。65分、相手のクリアボールに反応したラロッカが強烈なミドルシュートをゴール左に決め、Wシドニーが先制に成功する。
主導権こそ握っていたものの、先にリードを奪われてしまったクルス・アスル。しかし、74分にWシドニーのDFスピラノビッチが2度目の警告で退場になったことで、クルス・アスルのテナ監督はすかさずDFを一枚削り、前線の人数を増やす。こうして圧力を掛け続けたことで89分にPKで同点とし、延長戦に持ち込むと、相手が二人目の退場者を出す中で108分にパボーネのゴールで逆転に成功。さらに1点を加え、勝利を決定付けた。
この試合で見せたクルス・アスルの積極的な姿勢は評価に値する。ダブルボランチを主とするチームだが、この日は中盤の三昧を逆三角形にする[4-3-3]のシステムを採用。ボールホルダーに対して寄せのスピードを上げ、相手の得意なカウンターを封じた。さらに左サイドに入ったファビアン、途中交代でリズムを変えたロハスと、ドリブラータイプの選手を両ワイドに置くことで、最後まで攻撃的な姿勢を貫いた。
次のレアル・マドリー戦では、この姿勢をどこまで貫けるかがカギとなりそうだ。とりわけサイドの主導権争いで、相手に上回られると厳しい展開が予想される。相手のサイドを押し込み、さらにカウンターを未然に防ぐためにも素早いプレスが必須。白い巨人を脅かす攻撃を見せたい。
注目選手
MF 8 マルコ・ファビアン
クルス・アスル 171cm/65kg 25歳
ドリブルを武器に
12年ロンドン五輪を制したメキシコ代表の主力の一人。スピードと緩急を使った柔軟なドリブルを武器に、Wシドニー戦でも何度もチャンスを演出。彼の積極性が同点に追いつくPK奪取につながった。
Topic
オークランド・シティFC、初のベスト4進出
初戦で開催国代表のマグレブ・テトゥアン(モロッコ)をPK戦の末に下して準々決勝へと駒を進めていたオセアニア代表のオークランド・シティ(ニュージーランド)。準決勝ではアフリカ王者のセティフ(アルジェリア)と対戦した。試合はセティフが押し気味に進めたが、粘り強く戦ったオークランドが後半にゴールをこじ開ける。52分のCKのチャンス、ボールが混戦を抜けてきたところでDFアービングがうまくコントロールし、相手をかわして右足を一閃。これが決勝点となり、オークランドが準決勝進出を決めた。なお、日本人DF岩田卓也は初戦に続きこの日も先発フル出場。前半には左サイドを突破してチャンスも演出した。
大会最多の6回の出場を誇るオークランドはこれが初のベスト4入り。準決勝では南米王者のサン・ロレンソ(アルゼンチン)と対戦する。
TOYOTAプレゼンツ FIFA クラブワールドカップ モロッコ 2014 試合スケジュール
準決勝
12月16日(火)28:30~
クルス・アスル × レアル・マドリー
【G+放送時間】
12月17日(水)22:00~24:45
5位決定戦
12月17日(水)25:30~
セティフ × ウエスタン・シドニー
【G+放送時間】
12月19日(金)22:00~24:45
5位決定戦
12月17日(水)28:30~
サン・ロレンソ × オークランド・シティ
【G+放送時間】
12月20日(土)22:00~24:45
3位決定戦
12月20日(土)25:30~
【G+放送時間】
12月22日(月)16:00~18:45
決勝戦
12月20日(土)28:30~
【G+放送時間】
12月22日(月)18:45~21:30
日テレG+公式サイトはこちら
(BLOGOLA編集部)
2014/12/15 17:26