前節(第29節)の磐田戦の2点目は、中美慶哉に始まり、中美慶哉で完結した。
65分、自陣ゴール前でこぼれ球を拾うと、ドリブルで持ち上がりカウンターの起点となった。グングンと力強いドリブルで磐田ゴールに迫り、ためらうことなく右足を振り抜いた。ドライブ回転のかかったシュートはGKの手前で弾み、ゴールに吸い込まれた。「ラッキーだった」と謙遜したが、「とりあえず打とう」という積極的な姿勢がゴールとして結実したのは紛れもない事実だ。
「今までが全然、良くなかった。磐田戦を基準にしないといけない」と、プロ初ゴールにも浮かれた様子はない。そんな中美が「あそこまでいくと刺激になるし、『俺も頑張ろう』と思う」と、刺激を受けているのが広島の皆川佑介だ。A代表に選出された前橋育英高時代の同僚とは「頻繁に連絡を取る」間柄で、磐田戦後にもすぐに祝福の電話がかかってきたそうだ。
切磋琢磨できる仲間とともに、中美は栃木の至宝として輝きを増していく。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/09/02 14:55