8月17日の第27節・岡山戦を2-1のスコアで物にして、第20節以来となる4位に浮上。「大事な一戦」と位置付けていた柱谷幸一監督は、試合終了後に行なわれたピッチ上でのインタビューで笑顔を見せていたが、ある話題になったところで声を詰まらせ涙ぐんだ。
指揮官の感情を揺さぶったのはMF新井純平の今季初出場だった。新井は昨年11月に左ヒザ前十字じん帯断裂という重傷を負い、その後の長いリハビリを経て最近になって復帰、この試合で今季初ベンチ入り、そして後半序盤にMF八角剛史に代わってピッチに入った。
「手術を受ける先生や病院を相談しながら一緒に決めたし、辛くて長いリハビリに歯を食いしばって臨む姿を目にしていた。そういうことを思い出してグッときた」と柱谷監督。
そんな指揮官を含めて自分を支えてくれた多くの人たちに恩返しをしたかったという新井だが、今季初出場を素直に喜べなかった。
「悔しさだけが残りました。自分がイメージしたプレー、あるいは監督に求められたプレーができなかったから。とうてい恩返しとはならないパフォーマンスでした。でも、下を向いてはいられないので、気持ちを切り替えて、次のチャンスに備えます!」
最高の形とはならなかったが、新井が真夏の夜にリスタートを切ったことを喜ぶ人がたくさんいることは確か。そしてチームにとっては、なかなかの“夏補強”が実現した、と言えるのではないか。
(北九州担当 島田徹)
2014/08/18 18:10