Photo: UNIPHOTO PRESS
劇的な勝利の余韻に浸る間もなく、セレソンに激震が走った。終了間際にスニガに後方からのチャージを受けたネイマールが脊椎を骨折。今大会の残る2試合の出場が不可能になったのだ。試合翌日の『ランセ』紙はその一面で苦悶の表情を浮かべながらタンカで運ばれるエースの写真を掲載し「彼のためにプレーしろ」とさっそく残された22人へエールを送った。
「ネイマール依存症」と揶揄されがちなブラジル代表ではあるが、実際に決勝トーナメント1回戦のチリ戦まではネイマールが得点した2試合のみで勝利。天才アタッカー頼みの傾向は強かったが、皮肉にも今大会ネイマールが最も低調な出来だったコロンビア戦では、CB二人の得点で勝ち切った。右SBにマイコンを抜擢し、出場停止のルイス・グスタボの代役にフェルナンジーニョを用いるなど指揮官の試行錯誤が何とか結果に結び付いたコロンビア戦。しかし、準決勝でチアゴ・シウバを欠いてドイツを迎え撃つ王国は、エースも不在という二重の足かせを強いられることとなった。ただ、スコラーリ監督率いる代表チームは接戦を制するのが、その特徴なのだ。同氏が率いた過去のW杯でも、しばしば白熱した展開を経験している。02年には7戦全勝に終わったものの1点差ゲームは3試合。ポルトガルを率いた06年も4勝中3試合を1点差で振り切っている。そして、今大会である。チリ戦のPK勝利に続いて、コロンビア戦も最少得点差で勝ち切った。ある意味で指揮官のスタイルは発揮されているとブラジルメディアも指摘する。(下薗 昌記)
(BLOGOLA編集部)
2014/07/08 12:00