リーグ戦は14位に終わったが、1週間のオフをはさみ天皇杯4回戦に向けて今週から再始動した熊本。けがでリーグ終盤に離脱していた選手も少しずつコンディションを戻し始めており、おそらく来月15日の名古屋戦までに再びチーム状況も上向いていくだろう。1年を通してケガ人が多いシーズンだったが、天皇杯では“今季最強”のオーダーで臨める可能性もじゅうぶんある。
J1・名古屋との試合以降、準々決勝に勝ち進めば、横浜F・マリノスか浦和レッズ。さらに勝ち進めば、柏と対戦できる可能性がある組み合わせ。そして、今季で退任することが発表された高木琢也監督の花道を飾るということも大きなモチベーションとなっているのだが、選手たちが燃えるのにはもう1つ、別の理由もある。
南雄太選手はこう話す。
「勝って上のステージに行くほど注目されるし、何よりも勝ち進めばクラブにも賞金が入るでしょ。財政的に厳しいのは僕らも分かってますし、クラブを救う意味でもね、1試合でも多くやれるように頑張りたい」
3回戦ではJ1で首位争いをしていた仙台に粘り勝ちし、「諦めなければ何かが起きる」(南)ことは身をもって学んだ。先日のJ2プレーオフでは2試合とも下位チームが4点差をつけてファイナルへ駒を進めた通り、何が起こるか分からないのがサッカー。厳しい戦いになるのは承知の上。大一番に向け、熊本は着々と準備を進める。
(熊本担当 井芹貴志)
2012/11/21 20:00