今季の愛媛の公式戦はすでに終了していますが、だからといって、今季の全てが終わったわけではありません。チームは11月いっぱいまでは全体練習を行い、それ以降も自主練習は継続されます。
試合はなくとも、練習はシーズン中と変わらぬ熱を帯びています。それもそのはず、12月に行われる合同トライアウトにかける選手がいるからです。今季で契約満了となった6選手は来季の所属チームを求めて、そのトライアウトに向けてベストコンディションを用意しなくてはいけません。彼らにとっては何よりも重要な“大一番”なのですから。
その1人に“さすらいのストライカー”福田健二選手がいます。
「もちろん自信はある。なかったらやっていない」
力強く来季の現役続行に向けての自信を言葉にしました。今年10月で35歳になり、年齢的には大ベテランの域に達してはいますが、そのギラギラとしたまなざしは、いまだ弱まることはありません。今季は出場機会にも恵まれず、シーズンを通して無得点に終わるという屈辱を味わいましたが、このままで終わるつもりは毛頭なし。福田選手の小学生時代から盟友で、今年8月に引退を発表して指導者への道を歩み始めた廣山望さん(元千葉、草津ほか)にも「俺は(現役を)やるわ」と宣言したようです。
「(年齢的な問題で)辞めていく選手もいるけど、やっていく選手もいるし、やれている選手もいる。自分もやれないわけがないと思っている」
かつてスペイン2部のカステリョンを退団した後も、「(同2部の)ヌマンシアのテストを受けさせてもらって入団できた。そこで最高のシーズンを過ごした」など、苦境をバネにして常に這(は)い上がってきた男は、今回もその強い気持ちを持ってトライアウトに臨みます。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/11/21 19:41