開幕して4カ月、ベンチにも入れない苦しい時期が続いた。しかし、彼は腐ることもなく、キツイ練習後にもコーチらとビデオを見て、新しいポジションを自分のモノにしようと、日々努力をし続けた。その結果、第26節の湘南戦で右サイドバックのポジションをつかむと、ほぼフル出場で最終節まで戦い続け、チームの勝利に貢献した。
――前半戦、なかなか試合に出場できない時期がありましたが?
川鍋良祐選手(以下、川鍋)「そうですね、今季は違うポジション(サイドバック)からスタートしましたし、メンバーに入れないのも自分の中では分かっていた。このプレーだと当たり前だなと。でも、気持ちは切れてはいなかったですから、ただただ、新しいポジションでうまくなりたいと、やっていた感じです」
――湘南戦(7/29)、先発出場を果たしましたが?
川鍋「試合に出るというのは、当日に知りました。チーム事情もありましたが、監督が使ってくれたので、期待に応えたかった。そういう気持ちが、強く出た試合でした」
――やり慣れたセンターバックと違って、サイドバックというポジションは?
川鍋「シーズン当初は戸惑いもありましたけど、その時期は練習試合でもやっていたので、そんなに迷いはなかったです。ボールを持ったときもそうですけど、落ち着いて、より多くのパスコースを見つけられるようになりましたね。その後、味方が出場停止になって、センターバックに入った時、久しぶりだったんで、少し不安だったんですけど、いざやってみたら昨季よりリズム良くボールを回せたし、うまく攻撃の所でもチームに交われたと思いました」
――今シーズン、思い出に残っている試合は?
川鍋「大分戦(8/12)のアシストしたプレーが、一番印象に残っているのと、最後の試合(栃木戦11/11)ですかね・・・。チーム的には、内容はそんなに良くなかったですけど、古巣だったこともあるので、気持ちを込めて戦えた試合でした」
――かなり熱くなっていましたね?
川鍋「そうですね(笑)。少しでもプロとして成長した姿を、育ててくれた栃木に見せたかったので、勝利できたのは本当にうれしかった」
――今シーズン起こったライセンス問題や、三浦監督の退任についてお聞かせください。
川鍋「監督に関しては2年間一緒にやれて、僕の中でも存在が大きな監督ですし、すごく尊敬もしています。いつかまた、ヤッさんの下でやりたいというのが正直な気持ちです。サイドバックという新しいポジションも、使ってくれたのは監督ですし、新たな可能性も広がった。感謝したいです。ライセンス問題は、悔しいの一言しか・・・。やっぱりダメってなって3連敗したのも事実ですし、モチベーションに変化がなかったといえば、あったと思う。選手として短いサッカー人生で、上がない、目標がないというのは酷なことだと思うし、そういう部分では、みんな難しい思いでやっていたと思います」
――今シーズンも、応援してくれたファンやサポーターに一言お願いします。
「1年間ありがとうございました。本城に皆さんが足を運んでくれて、応援してくれたことによって選手はさらに力をもらって、力を発揮できたシーズンでした。来シーズンも、ぜひ周りを誘って、本城に来て応援してもらえればと思います。本当に、1年間ありがとうございました」
(北九州担当 坂本真)
2012/11/21 16:13